非常に広大な敷地面積を持つ工場です。
敷地の広い工場には、
法律によってその敷地の面積に応じた緑地を確保することが義務付けられています。
つまり、その緑地に植えている木と草(=種子)、それに生息する昆虫類、
そしてそれらを求めてやってくるハトにとっては、巨大な工場建物は営巣するにも最適というわけです。 |
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この写真では、この場所の高さは分からないと思いますが、地上高20mほどです。
「Cチャン」「Cチャンネル」と呼ばれるこの鋼材はスレート葺きの工場では、ごく一般的ですがハトがとまるには最適の場所です。
縦に伸びたH鋼との間に営巣できる隙間がありますし、天井近くになれば人間の目も届きにくく、
外敵からも安全というわけです。
これだと、もう少し高さが分かるかもしれませんね。
こういった大きな工場の場合、
ハトは開口部(入り口)の周辺には営巣せず、
奥まった薄暗い場所を選んで休息・営巣するようです。 |
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上記の場所のハートジェル塗布をおこなっている模様です。
足場を組むにも回りは機械でふさがれていますし、高所作業車も入れない状況でした。
作業員はH鋼をつたって登り、ロープとハーネスで安全対策を行った後、
水平のH鋼を足場にしてハートジェルの塗布をおこなっています。
安全対策は十分におこなっていますが、それにしても手前味噌ながら、文字通り「見上げた」ものです。 |
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ハートジェル塗布後の写真です。
H鋼の上にはよくこのように埃が積もっていますが、
ハートジェルを塗布する場合には、
この埃を除去せずに塗布する場合が多いです。
と申しますのも、ハートジェルの主成分は水と油ですので、塗布したあと若干ですが水分が染み出してきます。
それを埃が吸い取ってくれて、よく長持ちするようです。 |
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建物外部の雨どい部分に、建物同士の段差をつなぐための雨仕舞いが作られていました。
ちょうどその末端が箱のような形になっており、雨どいの取り出し口を入り口にしてハトが営巣をしていました。
おそらく何世代もここで巣立ったと思われ、完全に縄張りとして認識しているようでした。 |
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夕方になるとこのように、
たくさんのハトがとまっております。 |
幸い、営巣箇所にヒナも卵も施工時にはありませんでしたので、営巣材を取り除き、ハートジェルを塗布したあと、雨どいの取り出し口部分をパネルで塞ぎました。
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このように大きな工場の場合には、敷地内全体からハトを追い払うということは不可能といってもいいでしょう。また、建物が大きければ大きいほど、開口部分も大きく、ハトが飛来侵入することを完全に防ぐことも不可能です。
そして、建物や敷地が大きいということは、ハトがとまっていても比較的問題のない場所もまた大きいわけですから、こういう場合には上手にハトと共存することを考えたほうが得策だと思います。
どうしても、止まってほしくない場所だけを処理するには、費用面・作業効率面から見てもハートジェルは最適な方法だといえます。 |
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